〜どうしても食べたい!というわけじゃないけれど・・・〜
ストレス太りはこう起こる
太る背景には、意外と心に潜在的な問題を抱えていることも多い為、単純に運動や脂肪の少ない食事だけで、体重を減らすのは不十分。やけ食い、間食、たまの飲み会も体重増加の原因として決して侮れない。
パンやパスタなどの炭水化物には天然の鎮静効果があることや、チョコレートにはヒトの恋愛をしたときに発生する化学成分であるフェニルエチルアミンが含まれている。だからこそ、時には気持ちを盛り上げたくて、意識するしないにかかわらずそのような食物を摂取することも当然のことといえる。
甘い物に手を出す理由
適切な食べ物を適切な時に適切な分量だけ食べれば、トランキライザー(精神安定剤)と同じ効果がある。たった25〜50gの炭水化物で、気分転換の化学物質セロトニンの分泌を促すことができる。しかしながら、ストレスを感じるたびにパンやクッキー、チョコレートに手を伸ばしていたら大変なことなり、気分を楽にするために、ついつい気晴らし食いやつまみ食いに走っていると、かえって無気力や体重増加を招く。長期的に見れば、精神的にも良くないことは明らかである。
その場しのぎで食べ物に手を出すのは、情緒面の不安定を示す主な兆候である。過食の最大原因の一つは、感情的な欲求を満足させるためである。人によっては自分ではまったく気付いていないこともあり、何か問題が生じると空腹を感じるという回路が潜在意識の中に出来上がっていることも考えられ、たとえ原因に気付いてもそれを無視して食べ続けてしまうということもある。
現代人は自分の感情をなかなか正確に把握できずに混乱する。怒りや哀しみ、そしてストレスをつのらせ、イライライラと落ち着かない気分になる。ストレス食いや過食はこうした感情を払う手段となっている。食物は一時気分を落ち着かせ、楽にしてくれるかもしれないが、心の状態を変えてくれるものではない。
過食を科学的にケア
脳内にはさまざまな化学物質があり、そのすべては食べた物から作られる。例えば穀物にはアヘンのような精神作用のあるアミノ酸が含まれている。穀物を食べ過ぎるとボーッとするのはそのためであり、炭水化物は脳内で気分を落ち着かせる化学物質セロトニンに変化するトリプトファンという必須アミノ酸の量を増やす。憂鬱な時はセロトニンが少ないので、穀物の欲求は道理であると言える。問題なのは、鬱の回路とは別に、体重を増やしてしまうことである。
 血糖値の安定を目指す
パン、アイスクリーム、焼き菓子、チョコレート、紅茶&コーヒーなどは一瞬気分を高揚させる。それは血糖値を上昇させるからである。
血糖値の上昇は、血糖(ブドウ糖)の継続的な供給に依存している脳や神経系にはプラスに働くが、急激な上昇に対してはそれに拮抗するようにインシュリンが大量に分泌されて血糖値を下げバランスをとるように働く。
しかしそのバランスは一時的なものに過ぎず、血糖値はその後、かえって低くなってしまうので、脳はまたブドウ糖を欲求し、いっそう過食に走るようになる。
この悪循環を打ち破るには一日を通じて血糖値を安定させるべく、変動を起こすとされるデザート類、炭酸飲料、紅茶&コーヒー、アルコールの摂取を減らすことが望ましい。更に栄養価の高い食物を規則的に少量ずつ摂取することも効果的である。
新鮮な野菜やフルーツ、全粒を使った食物、豆類の摂取を増やすことでブドウ糖をゆっくりと適度に放出させるのを助ける。またそれでも空腹を感じる場合はアーモンドやカシューナッツをおやつにするのも良い。
刺激になる食物を探す
人によっては特定の食物に対する過敏症が、過食を引き起こすことも多く、発疹、頭痛、関節の痛み、はれなどのアレルギー反応と同時に、脳内の化学物質に悪影響を及ぼし、過食を引き起こす。原因となりやすいのが小麦や乳製品だが、ほとんどの食品が原因になる可能性を持っている。どの食物にたいして刺激反応が出るかを知るには、専門家への相談が必要である。「犯人」を特定して毎日の食生活から取り除けば無駄食いもなくなるだろう。
極端な緊張感が「つい食べる!」の原因になる場合も…
2年前、ある広告代理店の経理部長の職に就いた33歳の女性は、その数ヵ月後、自分がいつも食べ物をくちにしていることに気付いたのです。
朝、昼、晩の食事の他に、ビスケットやチョコレートといった甘いものを一日中、口にしていました。そのため、以前はスマートだった体型も崩れ始めました。
体重が気になりだした彼女は、心理療法士を訪ね何度も通院するうちに「つい食べてしまう」原因が明らかになりました。仕事柄彼女は会議に出席して注目を浴びる機会が増えていたのです。神経を張り詰めているせいでしゃべれなくなり、余計に不安が大きくなっていました。心を落ち着かせるために無意識のうちに飽食にふけっていたのです。
彼女はまず心の問題を解決するために、話し方教室を受講することにしました。すると効果は絶大で、以前よりもっと自分を表現できるようになり、食物にたいする欲求もなくなっていきました。心理療法を受け始めてから半年後には心も軽くなり、体重もすっかり元に戻ってきました。
多くの人がアルコール中毒と同じように食べ物におぼれていると言われる現代社会。どうしてむやみに食べ物に走り、時には依存症に陥ってしまうこともあります。このような悪循環を断つためにも、口にしがちな食物の正体を知ること、そして、「ストレス食い」や「過食」に自らを追い込む原因を究明することが解決の糸口となる。 |